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【資格レポ】会計士が証券外務員1種を受験した結果・・・

会計士(補)が、証券外務員を受験してきました!思わぬ落とし穴もありました。

作成日2026.08.19更新日2026.08.244 min
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IT好き会計士(仮)

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はじめに

つい先日、私は証券外務員一種の試験を受験し、無事に合格することができました。

今回はその体験談として、試験の概要、なぜ私が受験することにしたのか、どのように勉強していったのか、そして受験にあたっての注意点についてお話ししていきます。

先にお断りしておきたいこと

ひとつだけ、正直に開示させてください。

私は公認会計士試験に合格しており、大学も経済学部でした。つまり、会計・法律・経済の下地がある状態でこの試験に臨んでいます。この点は、どうしても有利に働きました。

ですので、勉強方法や各科目へのアプローチは普遍的なものではないことをご理解ください。

それでも、勉強の「進め方」や「つまずきポイント」、そして申し込みの落とし穴は、どんなバックグラウンドの方にも役立つはずです。むしろ、それらころが本記事の中心だと考えています。一般的な記事では書けないような内容も盛り込むことを意識しています。

証券外務員試験とは|まずは全体像から

どんな資格なの?

証券外務員資格試験は、日本証券業協会(JSDA)が主催する試験です。

証券会社や銀行といった金融機関で、株式や投資信託などの有価証券を勧誘・販売するために必要となる資格。いわば、金融商品を「売る側」に立つための免許証のようなものだと考えてください。

受験のハードルは、驚くほど低く設計されています。年齢・学歴・国籍などの制限は一切ありません。誰でも受けられます。金融機関に勤めていない方でも、まったく問題なく挑戦できます。

「一種」と「二種」はどう違うのか

この資格には、一種と二種の2種類があります。大まかな違いは以下の通りです。

二種

一種

扱える商品

現物株式、投資信託など

二種の範囲+信用取引・デリバティブ取引

問題数

70問

100問

試験時間

120分

160分

合格基準

満点の70%以上

満点の70%以上

ひとことで言えば、二種が「基本編」、一種が「応用編を含む完全版」です。

二種では、現物株式や投資信託といった、いわば「ふつうの投資」を扱えます。対して一種では、信用取引やデリバティブ取引といった、レバレッジのかかったリスクの高い商品まで扱えるようになります。

出題される3科目とその中身

出題科目は、一種・二種とも「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3つです。それぞれの中身は、次のように細分化されています。

法令・諸規則(一種35問/二種25問)

  • 金融商品取引法及び関係法令
  • 金融商品の勧誘・販売に関係する法律
  • 協会定款・諸規則
  • 取引所定款・諸規則

商品業務(一種35問/二種25問)

  • 株式業務
  • 債券業務
  • 投資信託及び投資法人に関する業務
  • 付随業務
  • デリバティブ取引(一種のみ)
  • 先物取引
  • オプション取引
  • スワップ取引(特定店頭デリバティブ取引等)

関連科目(一種30問/二種20問)

  • 証券市場の基礎知識
  • 株式会社法概論
  • 経済・金融・財政の常識
  • 財務諸表と企業分析
  • 証券税制
  • セールス業務

受験方式と合格基準

受験方式はCBT方式のみです。テストセンターに行き、コンピューター上で回答していく形式ですね。

CBT方式の大きな利点は、その場で結果がわかることです。試験を終えてボタンを押すと、即座に総合得点と合否が表示されます。マークシート方式のように、合格発表まで何週間もやきもきする必要はありません。

合格基準は、一種・二種とも満点の70%以上。科目ごとの足切りは設けられておらず、合計点だけで判定されます。つまり、苦手分野があっても、他でカバーすれば十分に戦えるということです。


なぜ受けようと思ったのか

それではここで、なぜ私が証券外務員を受験するに至ったのかの背景をお話します。受験を決めた理由は、大きく2つあります。ひとつは「個人として」の動機、もうひとつは「キャリアとして」の動機です。

理由1|両学長のおすすめ

そもそもの入口は、リベラルアーツ大学の両学長が、マネーリテラシーを高める資格としてこの試験を紹介していたことでした。

【本当に儲かる?】お金に強くなりたい人におすすめのマネー系資格を解説【10選】お金の知識が得られるマネー系資格10選を解説します。お金の知識があれば武器にも防具にもなります。それぞれの資格の難易度やメリット・デメリット、「本当に稼げるのか?」も紹介します!リベラルアーツ大学|『自由をつかむ』知識マッチョになるブログ!

正直に言えば、最初は「へえ、そんな資格があるのか」という程度の関心です。しかし調べていくうちに、だんだんと魅力的に思えてきました。

魅力に感じたのは、次の3点です。

  • 比較的ライトに受けられること。何年も人生を捧げるタイプの資格ではありません
  • 投資の環境がいま現在どう整備されているのかを、法律・制度の面から体系的に理解できること
  • 結果として、マネーリテラシー全般の底上げにつながりそうだと感じたこと

とくに2つ目が決め手でした。個別の投資テクニックではなく、投資という営みを支える「土台のルール」を知りたかったのです。

「誰が書いているか分からない個人ブログを50時間読むよりも、証券外務員の勉強を50時間した方がよっぽど金融リテラシーが上がる」

という記事内のコメントも刺さりました。正に私が個人ブログで投資の情報収集をしていたためですね。。。

理由2|キャリアの幅を広げる準備

もうひとつは、自分自身のキャリアに関わる動機です。

投資戦略という領域には、将来的に携わる機会があるかもしれない。 税務の仕事をすることになった場合、そうした領域に触れる機会はほぼ間違いなくあるだろうな、と感じていました。であれば、いま基礎を入れておいて損はありません。

加えて、証券アナリストのような上位資格を考えたときにも、証券外務員は良い入門になります。基礎知識を先に固めておけば、次のステップが格段に楽になるはずです。

まとめると、個人としての純粋な興味と、投資領域でも役に立てる自分を作りたいという思い。この2つが重なったことが、受験のきっかけでした。


どのように勉強していったのか

ここからは、実際の勉強法をお話しします。結論から言えば、奇をてらったことは何ひとつしていません。

というのも、証券外務員試験の合格率は全体で7割前後。基礎的な内容が中心の試験です。素直に王道を歩くのが、結局いちばん速いと考えました。

使用した教材

使ったのは、テキスト・問題集・模擬試験サイトの3つだけです。

テキストと問題集については、ひとつこだわりがありました。Kindle Unlimitedで読めるものを選ぶ、というルールです。

そこまでがっつりした勉強を要求される試験ではないため、できれば安価に抑えて合格したい。そのような想いがありました。

私は以下の2冊を使用していました。

これをPDFの形で手元に置き、問題を解きながら参照する。そんな使い方をしていました。

また、問題演習に関しては以下の出題サイトも利用しています。

教材費が実質ゼロ円で済んだのは、地味ですが大きなメリットでした。

勉強の進め方

私が繰り返していたサイクルは、次のとおりです。

  1. テキストをざっと読む。じっくり読み込むことはこの段階では一切しません。重要な箇所、数字、赤字の部分、図解などを中心に、ペラペラとめくって全体像をつかみます
  2. 一単元終わったら、対応する問題集を解く。自分がどこまで理解できているのかをテストし、分からない点をあぶり出します。
  3. 間違えた部分をテキストに戻って確認する。先ほどのステップで発見した不明点を学習していきます。
  4. これを科目ごとに実践し、繰り返す

合格に要した勉強時間は?

トータルの勉強時間は、約32時間でした。

勉強時間の画像
Togglという時間管理アプリにて記録。

ただし、この数字には私の反省が含まれています。

実は私、1回目のインプットを終えたあと、すぐに受験できませんでした(理由は後述)。そのため約1ヶ月後に、もう一度インプットをやり直すはめになりました。この二度手間で、10時間ほどは余計に費やしてしまいました。これは大きな反省点です。

裏を返せば、段取りさえ間違えなければ20時間前後で合格ラインに届いていた計算になります。


私がはまった最大の落とし穴

さて、ここからが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。

勉強法の話ではありません。実際の受験の話です。私はここで、大きくつまずきました。

証券外務員試験のCBT方式には、見落としがちな制約があります。

それは、月曜から金曜の平日にしか実施されていない点です。土日・祝日・年末年始は受験できません。しかも受験できる時間帯は、テストセンターごとに日中の枠で設定されているのが一般的です。

つまり、会社員の方は有給休暇を取らなければ、そもそも受験できないということになります。

結局私は、お盆の帰省のために取得した有給を活かし、地元のテストセンターでなんとか受験することができました。

この点については、みなさんが受験される際には注意してください。


試験当日のレポ

さて、無事に受験までたどり着いたところで、当日の様子もお伝えしておきます。ここは事前情報が少ない部分だと思うので、少しでも安心材料になれば幸いです。

時間は割と余る

一種の試験時間は160分。数字だけ見ると、なかなかの長丁場です。

しかし実際は、70〜80分ほどで解き終わりました。持ち時間の半分にも満たない計算です。見直しをたっぷりしても、まだ時間が余っていました。

もちろん個人差はあります。それでも、時間切れを心配する必要はほとんどない試験だと言い切ってよさそうです。焦って読み飛ばすより、一問一問を落ち着いて読むほうが得点は伸びます。

計算ではA4のメモ用紙とペンが使える

会場では、A4のメモ用紙が1枚とペンが配られました。計算問題は、基本的にここで手計算をしていきます。

パソコンの画面上に電卓を表示させることもできます。ただ、私はほとんど使いませんでした。というのも、手計算で十分に処理できる程度の計算量だったからです。画面上の電卓をマウスでカチカチ操作するより、紙に書いたほうがはるかに速い場面が多かったですね。

余談ですが、紙が1枚しかない点は少しだけ意識しておくといいかもしれません。私は問題ありませんでしたが、書き殴るタイプの方は、スペースの使い方を考えておくと安心です。


まとめ

最後に、今回のお話を振り返ります。

今回は、証券外務員一種に挑戦した体験をお話ししました。試験の中身は基本的に投資に関するもので、公認会計士試験やこれまでの大学での学びを活かすことができました。

一方で、試験自体が平日の日中にしか受けられないという点は、社会人の方は特に注意が必要だと感じています。

もし受験を考えている方の参考になれば嬉しいです。

(補足) 各科目の感想

ここからは、科目ごとの感想を書いていきます。興味のある方だけ読んでもらえたらと思います。

【金融商品取引法及び関係法令】

公認会計士試験の「企業法」で学んだ知識が、ほぼそのまま活きました。会計士試験でも金融商品取引法は出題範囲に含まれています(20問中2問程度と、ボリュームは少なめですが)。

そのため新しいインプットはほとんど不要で、記憶を思い出す作業に近かったです。ここは正直、かなり有利でした。

【金融商品の勧誘・販売に関係する法律】

意外にも、一般常識に近い感覚で解ける分野でした。

というのも、根底にある思想がはっきりしているからです。「業者に比べて知識の少ない投資家を、手厚く保護する」。この一点に尽きます。

経済学には「情報の非対称性」という考え方があります。売り手だけが商品の中身を知っていて、買い手は知らない。この状態を放置すると、市場そのものが機能不全に陥る——ジョージ・アカロフが中古車市場を例に示した、有名な「レモン市場」の議論です。

金融商品の勧誘ルールは、まさにこの問題への処方箋として存在しています。そう理解できれば、あとは簡単でした。迷ったときはいちばん保守的な選択肢、顧客の安全に寄せた選択肢を選ぶ。それだけで、無理なく正解にたどり着けます。

【協会定款・諸規則】

金融商品取引法の知識が少し活きた分野です。こちらも「顧客の取引の安全を図る」という同じ視点で選択肢を眺めれば、特につまずくことはありませんでした。

【取引所定款・諸規則】

法令・諸規則のなかで、最も新しいインプットが必要だった分野です。

既存の金融法の知識はあまり活かせませんでした。株式投資の実務に特化した内容が多く、ここは素直に覚えるしかありませんでした。

とはいえ、パーソナルファイナンスの勉強をしていたおかげで、背景のイメージは持ちながら進められました。そして逆に言えば、この分野こそが「投資制度を体系的に理解する」という当初の目的を満たしてくれた部分でもあります。新しく学べたという意味では、いちばん収穫の大きい分野だったかもしれません。

【株式業務】

ボリュームは多いものの、ほぼ基礎知識で対応できました。もともと株式投資について学んでいたことに加え、FP2級レベルの勉強もしていたためです。計算問題も、会計士試験の財務分析やFP試験と重なる内容がほとんどでした。

【債券業務】

普段から債券投資をしていないぶん、株式業務よりもインプット量は多くなりました。

ただし計算問題は別です。会計士試験の会計学で社債の仕訳を扱う中で、利息の支払いや償還の仕組みはイメージできていました。おかげで、計算部分は問題なく対処できたと感じています。

【投資信託及び投資法人に関する業務】

ここは特段の苦労はありませんでした。自分自身が投資信託に投資しており、前提となる感覚がすでにあったからです。計算問題も、FP2級レベルの学習でカバーできました。

やはり「自分がやっていること」は強い。実体験に紐づいた知識は、覚えようとしなくても定着しますね。

【付随業務】

完全に新しい論点でしたが、範囲が狭いのが救いでした。

実感としては、「資金の貸借」や「株式累積投資(るいとう)」あたりが付随業務にあたる、と押さえておけば十分です。それに、投資のメインとなる業務は付随業務にならない——この一点は、常識的に考えれば判断がつきます。

【デリバティブ取引(先物取引・オプション取引・スワップ取引)】

そして、商品業務のなかでいちばん骨が折れたのがここです。

会計士試験の財務会計論で、オプション取引もヘッジ会計も先物取引も、全てその仕訳は扱ってきました。しかし試験で問われるのは、その取引をどういう戦略として使うのかという視点です。同じ山でも、北側の斜面から見るのと南側から見るのとでは、まるで違う姿に見える。そんな感覚でした。

結果として、ここに一番時間を使いました。おそらく皆さんもそうなるのではないかと思います。

ただし、これは悲観的な話ではありません。デリバティブは論理的に考えれば結論を導ける分野です。丸暗記が必要な部分はむしろ少ない。じっくり向き合いさえすれば、何周も回さなくても理解は定着します。腰を据えて取り組んでみてください。

【証券市場の基礎知識】

範囲が狭く、大きな問題はありませんでした。

強いて挙げるなら、内閣総理大臣の「認可」「免許」「登録」「届出」のうち、どの機関がどれに該当するかという単純暗記。ここだけは、理屈が通じず苦戦しました。

そこで私は、割り切った作戦を立てました。学習した範囲では圧倒的に「登録」が多かったので、迷ったら「登録」を選ぶと決めておいたのです。すべてを完璧に覚えるより、確率の高い選択肢を準備しておくほうが現実的でした。

【株式会社法概論】

公認会計士試験の会社法がそのまま活きた分野です。金商法同様、改めてインプットする必要はほぼありませんでした。

【経済・金融・財政の常識】

FP試験の知識がかなりはまりました。加えて、パーソナルファイナンスの勉強の一環で、金融系のニュースを日頃からチェックしていたことも効いています。ほとんど一般常識の感覚で突破できました。

【財務諸表と企業分析】

公認会計士試験のど真ん中です。演習も1周だけで切り上げました。ここは完全に「貯金」で乗り切った形です。

【証券税制】

会計士試験の租税法(所得税)と、FP試験の勉強でほぼカバーできていました。

とくに大きかったのは、租税法で所得税を体系的に理解していたことです。証券税制は所得税の枠組みの上に成り立っています。土台があれば、上に乗る話はすんなり入ってきました。計算問題も問題ありません。

【セールス業務】

こちらも、ほぼ一般常識で対応できる内容でした。「顧客に対して誠実か」という観点で読めば、正誤の判断はつきます。

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